獣医師が”いぬとねこ”について解説してみた。ときどき、ハムスター日記。

犬と猫の病気についてわかりやすく解説します。たまに、ハムスターのかわいい写真を紹介します。

【犬と猫のノミ症、ノミアレルギー性皮膚炎】犬と猫だけの問題じゃない?人も刺される⁉

 今回はノミとノミが原因で起こるアレルギーについて解説したいと思います。ノミが寄生すると皮膚炎やアレルギーの原因になりペットにとっても大変ですが、人も刺されて湿疹ができたり、家のベットやソファーなどの部屋の駆虫や掃除など、人にとっても大変です。

 

f:id:Mrshamster:20210801213548j:plain
f:id:Mrshamster:20210801213623j:plain
顕微鏡像(左)と肉眼像(右)

 

ノミについて

 犬と猫でよく見られるのはネコノミ(Ctenocephalides felis felis)です(犬の92%以上、猫の97%以上)。寄生後はすぐに吸血をはじめ24時間以内に産卵し、その数は1日あたり20~50個にもなります。ノミは日本国内では夏から秋にかけてよくみられますが、家の中は暖かいので冬でもみられます。 

 ノミはいっぱい寄生していれば目で見てわかりますが、動きが早いので見つけるのは難しです。その代わり、寄生していると体に黒いツブツブ(ノミの糞)がついています。糞は血が混ざっているので、ティッシュなどにとって濡らすと赤っぽくなります。

 

症状

 ノミは血を吸うために皮膚を刺すので、その刺し傷で痒みがでたり、湿疹がでたりします。また、血を吸うときにノミの唾液が体に入ることでノミアレルギー性皮膚炎が起こります。

 また、瓜実条虫はノミを介して感染するお腹の寄生虫です。そのほか、猫ひっかき病のバルトネラ菌もノミを介して感染していきます。

 

治療

 治療は駆虫薬による駆虫です。フロントラインやレボリューションといったのみの駆虫薬を使ったり、ネクスガードスペクトラなどフィラリア予防薬と一緒になったものもあります。また、痒みが強いときは痒み止めや皮膚炎がひどい時は抗生剤を使用しましょう。

 環境中のノミの除去も大切です。ソファーやベット、絨毯の隙間にいるノミを燻煙剤や殺虫スプレーで駆虫したり、掃除機でしっかり掃除しましょう。

 

まとめ

 ノミは見つけるのが難しいので、毎月しっかし予防しましょう。ノミは家の中では1年じゅう生活できるので、家の掃除や駆虫などの対策をしっかりするようにしましょう。

 

 

その他の外部寄生虫について知りたい方はこちらの記事をどうぞ

www.mrshamster.com

www.mrshamster.com

www.mrshamster.com