獣医師が”いぬとねこ”について解説してみた。ときどき、ハムスター日記。

犬と猫の病気についてわかりやすく解説します。たまに、ハムスターのかわいい写真を紹介します。

【犬と猫の嘔吐】いぬ、ねこが吐いてしまい様子を見てもいいのか。心配になることはありませんか?

 朝起きたら何か吐いた跡があった。散歩をして帰ってきたら、急に吐いてしまった。そんな経験がよくあると思いますが、今回は犬、猫が吐いてしまった時にどのようにすればいいのか?どんな病気の可能性があるのか?解説してみたいと思います。

 

目次

 

一番多いのは急性の胃腸炎

 いぬ、ねこはストレス急なご飯の変更、いつもと違うおやつ等で吐くことがすごく多いです。動物病院に来る子で一番多いのではないでしょうか。

 この場合の治療は基本的に吐き気止め等の対症療法になります。小さい子でなければ1日程度の絶食をしてもらうこともあります。急性の胃腸炎は一過性のことが多いので、すぐに治まれば問題ないことが多いです。

 

緊急性のあるものは要注意

 中毒異物等は最悪亡くなってしまう可能性もあるので要注意です。特に若い子は遊んでいておもちゃを飲み込むことも多いので注意が必要です。何かを食べたかもしれないときは獣医師に説明することが大切ですね。

 この場合は急性の胃腸炎と違って頻回に吐くことが多いですし、中毒の場合はふらつくなどの神経症状も同時に出ることがあります。急性の胃腸炎と違い検査を行い、入院や手術になる可能性もあります。

 また、脂っぽいものを食べたり、食べなれないものを食べたりして急性膵炎になることもあります。この場合も、状態によっては入院が必要です。

 

なかなか治らない場合は…

 対症療法をしていてもなかなか治らないときは、食事があってない抗生剤に反応するものなどがあります。食事の変更や抗生剤でよくならないときは内視鏡検査が必要になることが多いです。

 

その他の原因

 その他には、アジソン病、甲状腺機能亢進症、糖尿病性ケトアシドーシスのような内分泌疾患腎不全肝不全中枢神経系の疾患でも嘔吐はおきます。また高齢であれば消化管の腫瘍なども考えられます。

 おなかがすいて吐くこともあります。これは生理的な現象ですので問題ありません。おなかが空くと胆嚢というところに消化酵素が溜まっていき、それが胃に逆流して黄色っぽい液体を吐いてしまいます。ご飯の回数を増やしたり、おやつをあげるなどして空腹の時間を少なくしましょう。

 

まとめ

 一番多いのは急性の胃腸炎なので、元気食欲があれば少し様子を見ても大丈夫なことが多いです。何かたべるのを見た、ぐったりしている、いっぱい吐いてるなど吐いた後にいつもと様子が違う場合は動物病院に相談しましょう。