獣医師が”いぬとねこ”について解説してみた。ときどき、ハムスター日記。

犬と猫の病気についてわかりやすく解説します。たまに、ハムスターのかわいい写真を紹介します。

【犬と猫の外耳炎】頭をよくふっている、耳を掻いているといった症状はありませんか?

 犬と猫では耳のトラブルはかなり多いのではないでしょうか。耳を掻いて顔に傷を作ってしまったり、耳の掃除をしても耳垢がすぐたまってきてしまう。といったことを経験することも少なくないと思います。今回はなぜ外耳炎になってしまうのか、なりやすい素因や原因などを解説したいと思います。

 

 

 外耳炎になりやすい素因

 外耳炎は耳の中の温度と湿度が高くなると発生しやすくなります。つまり、外部環境、垂れた耳、耳毛、耳の穴が狭い犬種、シャンプーなどです。

 例えば夏場は湿気が多いですし、シャンプー後は耳も濡れてしまうことが多いです。そして、垂れた耳の子やトイ・プードルなど耳毛が多い犬種、パグなどの耳の穴が狭い犬種だと耳の中がどうしても蒸れやすくなってしまいます。

 また、耳の中に腫瘍があったり、アレルギー性疾患、内分泌疾患を持っていても外耳炎になりやすくなります。

 

原因

アレルギー:

 犬ではアトピー食物アレルギーなどのアレルギー疾患が外耳炎の原因になります。これらの管理がうまく行っていないと細菌やマラセチアが二次的に増えて外耳炎が悪化してしまいます。また、アレルギー疾患があると外耳炎が治りづらく繰り返すことも多いです。

マラセチア:

 茶色い耳垢が大量に出で特徴的な匂いがします。もともと、皮膚にいる酵母菌なりますが、外耳炎の場合は大量に耳の中で増えています。顕微鏡では雪だるまのように見えることが多いです。基本的には効く抗真菌薬の外用か内服による治療になります。

細菌:

 ブドウ球菌や緑膿菌が原因になると考えられていますが、他の細菌でも外耳炎になることがあります。基本的には効く抗生剤の外用か内服による治療になります。

耳ダニ:

 子犬の外耳炎に多くみられます。黒色の乾いた耳垢が大量に出るのが特徴です。そして、痒みも強く出ます。治療は駆虫薬ですが、なかなか治りにくいことも多いです。

その他:

 コッカースパニエルやウエスティで起こる脂漏症、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、免役介在性疾患、異物などでも外耳炎を起こすことがあります。

 

まとめ

 外耳炎は比較的よく見かける病気だと思います。慢性化すると治りにくいこともあるので早めの治療が大切です。そして、耳掃除や耳毛抜きなど日頃から耳の中を清潔に保つようにしましょう。