獣医師が”いぬとねこ”について解説してみた。ときどき、ハムスター日記。

犬と猫の病気についてわかりやすく解説します。たまに、ハムスターのかわいい写真を紹介します。

ホントに安全?犬と猫の麻酔の死亡率は意外に高い⁉

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犬、猫を飼ってしばらくすると避妊や去勢を勧められると思います。

でも、手術をするには全身麻酔が必要…。

やった方がいいとは思うが麻酔が心配という人は多いと思います。

なので、今回は犬と猫の麻酔について解説したいと思います。

 

 

犬と猫も麻酔が必要!

 まず、犬や猫も人と同じように全身麻酔(完全に寝かせて行う手術)を行い、人工呼吸器などを使って麻酔管理をしますし、最近では疼痛管理をしっかりするのが主流になってきています。

ただ、やはり人と比べると事故が多いのは否めません。

 

麻酔関連の死亡率は?

Brodbelt.et all(2008)イギリスの論文によると麻酔関連死亡率は犬は0.17%、猫は0.24%です。

ちなみに人は0.05%なので、これを見てしまうと少し不安になりますよね。

ただ、交通事故にあう確認率は0.9%もあるので、それに比べるとかなり少ないように思います。

 

麻酔関連死の原因

 死亡原因で一番多いのは循環器と呼吸器に関連するものです。例えば、うまく体に酸素が回っていなかったり、血圧が低すぎたりすると危険です。

 

こんな時の麻酔は注意‼

 麻酔リスクの評価でASA分類というものがあります。

class1~5までの5段階に分かれています。

 

Cless1

健康な動物で、避妊や去勢などの手術です。

Cless2

少し全身症状がある動物で、高齢や肥満の子もここに入ります。皮膚の腫瘍をとったり、骨折などの手術です。

Cless3

状態が悪い動物で、心臓が悪かったり、発熱してたり、貧血がある子がここに入ります。

Cless4

死にそうな動物で、脾臓や膀胱が破裂してしていたりして手術が必要な場合です。

Cless5

手術しなくても死んでしまう動物です。

 

実はClass1.2 では麻酔関連死亡率は0.1%なのに対して、Class3.4.5では1%以上になります。

何とClass3以上は10倍も違うんですね!

ご家族でも手術をする前にペットの状態を確認してあげてることはできると思います。それで、危険があるなら手術をやめるのも大切です。

 

まとめ

いかがだったでしょう?今回は難しかったと思います。

しかし避妊、去勢など必ず1度は麻酔をかけなければいけない事があると思います。

そんな時に少しでも知識があれば手術のをやる、やらないの判断に役立つと思いますので、ぜひ参考にしてもて下さい。